2026年1月30日、株式会社SUBARUクリエイティブディレクターの須崎 兼則氏を講師にお迎えし、クリエイティブシンキングの視点を講義とワークショップで学ぶ「SUBARUの選べる愉しさを産み出すアイディア創出法」を開催しました。
本セミナーは、講義とワークショップの二部構成で実施。クリエイティブシンキング(創造的思考)の本質を学び、実務で活用できるスキルの習得を目指しました。

製品開発に取り組む人たちの「呪い」を解く
「今日のセミナーを通して、皆さんがかかっている『呪い』を解いてもらいたい」
冒頭、須崎氏が投げかけたこの言葉に、受講生たちは少し驚きの表情をみせました。 ここで言う「呪い」とは、多くの企業に深く浸透しているロジカルシンキング(論理的思考)への過度な依存を指しています。
論理的で筋道が通ったアイデアは、一見正解のように見えます。しかし、効率や正論を重視するあまり、知らず知らずのうちに思考の枠(見えない壁)を作ってしまい、自由で飛躍した発想を妨げてしまうことがあります。この「既存の枠組みから抜け出せない状態」を、須崎氏は“呪い”と表現したのです。


その“呪い”を解き、ブレイクスルーを生む鍵となるのが「クリエイティブシンキング」です。 須崎氏は、アイデアを出す上で最も重要なのは「問いを疑うこと」だと語り、ある事例を挙げられました。
●事例:空港の荷物受け取りの待ち時間
空港を利用する多くの乗客が「荷物が出てくるのが遅い」と不満を抱いていました。航空会社は新たな設備を導入し、作業効率を高めて時間を短縮しようとしましたが、物理的な限界に突き当たります。
そこで視点を変え、「荷物を早く出すには?」という問いを、「待ち時間のストレスを減らすには?」という問いに置き換えたのです。
解決策として実行されたのは、意外にも「到着ゲートから手荷物受取場までの距離をあえて遠くする」というものでした。乗客が歩く時間を増やすことで、受取場に着く頃には荷物が揃っている状態を作り出し、「待たされている」という感覚そのものを解消したのです。


「問いを疑う」ワークショップ
前述した空港の事例のように、目の前の課題(問い)をそのまま受け取るのではなく、本質的な課題を再定義することで、これまでにない解決策が見えてきます。
後半のワークショップでは、参加者がグループに分かれ、さまざまな課題に対して「問いを疑う」プロセスを実践しました。
単に新しいアイデアを出すのではなく、「この課題の本当の目的は何か?」と深掘りすることで、参加者の皆さんの視点が次第に変化していく様子が印象的でした。また、須崎氏からは自社でクリエイティブシンキングを浸透させるための苦労や工夫といった、現場感あふれるエピソードも披露されました。




まとめ
今回のセミナーを通じ、新しい発想を得るためには「答え」を探す前に、まず「問い」そのものをクリエイティブに考えることの大切さを学ぶことができました。参加者からは、「自社の業務に置き換えて考えたい」「社内でもこの思考法を広めたい」といった前向きな声が多数寄せられました。
宮城県産業技術総合センターでは、今後も実務に直結する視点やスキルを学べるセミナーや研修を開催していきます。開催情報は、WEBサイトやメールマガジン「ITIMオンライン」にて随時発信しておりますので、ぜひチェックしてください。
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