着物生地のアップサイクルによる伝統文化の伝承と発信〜株式会社WATALIS〜

更新日: 2021年8月30日
 

着物生地の素材判別で商品魅力向上

宮城県亘理町に拠点を置き,着物生地のリメイクによる小物やアクセサリーを製造・販売する株式会社WATALIS。 着物生地を使用した商品はすべて地元亘理町の女性たちによるハンドメイドです。

 今回は,同社が産業技術総合センター(以下,センター)の開放機器を利用して行った着物生地の素材判別について伺いました。

 (取材日 平成31年1月18日)

着物生地のアップサイクルによる商品化

代表的製品の「FUGURO」

 同社は箪笥に眠る着物生地をリメイクし,価値を高めて再び世に出す「アップサイクル」による商品化を行っています。

 「ものを再生して使っていくという生き方,暮らし方を再現して伝えていくアイテムとして取り組んでいます」(引地氏)

 「着物生地には,素材としての価値だけでなく,様々なストーリーがある。使えるものに変えていきたい」(引地氏)

着物生地の素材判別

測定の様子

同社が扱う着物生地は,買い付けや寄付などさまざま形で着物として入手するため,反物にはある素材表記がなく,素材の確認ができないことが多い。
「質感や感触等で絹を見分けてきましたが,自分たちだけで判別することに限界を感じていました」(引地氏)
相談先を探していたところ,宮城県庁の職員からの情報提供をきっかけにセンターを利用することになりました。
「センターの存在は知っていましたが,違う分野の会社が利用するところと思っていました」(引地氏)
「技術改善支援」と「施設機器開放」を利用し,センターが評価方法の提案と解析の支援を行い,引地氏自らセンターの分析機器(赤外分光分析装置,マイクロスコープ)を使用して測定しました。
「理屈が分かって使えるように噛み砕いて説明してくださったので,助かりました」(引地氏)
測定により着物生地の素材の情報を得ることができました。
「シルク」の表示をした製品
「シルク」の表示をした製品の写真
「測定結果とその他の情報を併せ,絹であることを確認できた着物生地を使用した商品には『シルク』の表示をして販売できるようになりました」(引地氏)

センターに期待すること

「シルク」の表示をした製品

 「私がそうだったように,自分の分野では相談できないのではないかと考えている人がいるかもしれません。もっとたくさんの方がセンターを活用するようになれば良いと思います。素晴らしい設備があり,支援してくださる人もいるので」(引地氏)

 株式会社WATALISは,亘理町からシルクを発信していきます。

会社概要

所在地郵便番号989-2351   宮城県亘理郡亘理町字中町22番
ウェブサイトhttp://watalis.co.jp/
電話,FAX電話 0223-23-1975,FAX 0223-23-1975
代表取締役引地 恵
創業平成27年5月15日
従業員数2人
資本金210万円
主な事業着物地によるリメイク雑貨の製造販売