コツコツと真面目なものづくりを宮城から発信 〜東北電子産業株式会社〜

更新日: 2021年9月2日
 

佐伯代表取締役会長が創業した東北電子産業株式会社は,電子応用機器などのシステム提案や販売,レーザー制御用周辺機器や電子計測システムの設計・製造,大学等との共同研究開発を行い,平成18年には経済産業省「元気なモノ作り中小企業300社」にも選ばれています。

 今回は,佐伯代表取締役会長が開発し,その後,宮城県産業技術総合センター(以下「センター」)で装置の改良を支援した極微弱発光検出装置(ケミルミネッセンスアナライザー,以下CLA)を中心に,山田代表取締役社長にお話を伺いました。

世界最高水準の高感度発光計測装置

極微弱発光測定装置「ケミルミネッセンスアナライザー」
極微弱発光測定装置「ケミルミネッセンスアナライザー」

 「CLAはオイルショックの辺り(1980年頃)に東北大学から依頼され,食用油の酸化劣化度を測定する装置として当社で開発しました」(山田氏) CLAは油などが酸化するときに発する微弱な光を検出して劣化度を評価する装置。CLAを用いた研究で経験を積んだ山田氏が活用法を提案することで, CLAは生化学をはじめ,様々な分野で活用されています。

新規分野での応用と装置の改良

 CLAの活用分野の1つであるプラスチックの極微量酸化評価では,最適計測条件の探索をセンターが支援しました。 「最先端の研究でCLAが使われるので,新規材料の勉強が絶えず必要です」(山田氏)

 また,標準化活用支援パートナーシップ制度のパートナー機関として,その標準化に向けた同社の活動も支援しています。「オープンクローズ戦略が難しいですが,規格化に向けて動いています」(山田氏)

センターに期待することとこれからの展望

葉に刻まれた文字が付属のライトで光り輝く 「ルミリーフ」(左下は葉の拡大)
葉に刻まれた文字が付属のライトで光り輝く 「ルミリーフ」(左下は葉の拡大)

 「センターとのつきあいは現会長の時代から。研究開発に参加するほか,最近はEMCなどセンターの機器もよく利用しています」「センターは相談しやすく企業サイドの近いところにいる印象。これからも企業目線で支援して欲しい」(山田氏)

 レーザー技術を応用した新製品「ルミリーフ」の開発など,宮城でのものづくりを基本とし「開発なくして成長なし」と語る東北電子産業(株)は宮城から世界を見据えています。

会社概要

所在地郵便番号982-0841   宮城県仙台市太白区向山2-14-1
ウェブサイトhttp://www.tei-c.com/
電話,FAX電話 022-266-1611,FAX 022-797-1614
代表取締役会長佐伯 昭雄
代表取締役社長山田 理恵
創業昭和43年4月
従業員数50人
資本金6,000万円
主な事業世界シェアの8割を占め,第4回ものづくり日本大賞東北経済産業局賞やプラスチック成形加工学会第1回技術進歩賞を受賞した極微弱発光検出装置をはじめとする電子応用機器,各種産業用電子計測システム,レーザー制御機器,理化学機器等の開発・製造・販売・輸出入業務