酸化チタンナノチューブ型ガスセンサの開発

更新日: 2022年5月9日
 

研究テーマ名:ショットガス吹き付け方式を用いたガス濃度測定-金属酸化物多孔質体を応用したガスセンサの開発-

 ガスセンサの測定時間を短縮可能なガス濃度測定方法(ショットガス吹き付け方式)を新たに提案し,窒素希釈された一酸化炭素の濃度測定に対して適用した。その結果,1秒間のガス吹き付けで,一酸化炭素濃度の違いによる出力電流値の違いが測定可能であり,最短3秒の測定で0.01%の濃度まで同定可能であることを示した。

 

研究テーマ名:酸化チタンナノチューブ構造による集積化ガスセンサシステムの開発

 6個のセンサ素子を微小基板上に集積させた集積化ガスセンサを作製し,既知濃度の4種混合ガス(一酸化炭素,酸素,ヘリウム,窒素)に対する応答特性を測定した。測定したデータに機械学習を適用することで,未知濃度の4種混合ガス中の各構成ガス濃度を高精度に推定できることを明らかにした。

 

 

研究テーマ名:金属酸化物多孔質体を応用したガスセンサの開発

 ガスセンサの感度向上と応答時間,回復時間短縮を実現するため,原子層堆積法によって,センシング部である酸化チタンナノチューブ薄膜の表面及びナノチューブ内壁の上面から底面までの全体に触媒となる白金微粒子を一様に坦持したガスセンサを作製した。そのガスセンサで,窒素で希釈された一酸化炭素では10ppmまで,窒素で希釈された水素では1ppmまで測定可能であることを示した。

 

 

研究テーマ名:微細成形技術を用いた機能性素子の開発-酸化チタンナノチューブ型ガスセンサの開発-

 本研究では,ガスセンサの感度向上と応答時間,回復時間短縮を実現するため,センシング部である酸化チタンナノチューブ薄膜を検出対象ガスが透過する構造にしたガスセンサを作製する基盤技術を確立し,ガスが透過しない構造である従来のガスセンサよりも応答時間が短いことを初めて実証した。また,原子層堆積法によって,酸化チタンナノチューブ薄膜の表面及びナノチューブ内壁の上面から底面までの全体に触媒となる白金微粒子を一様に坦持できることを示した。さらに,非透過型ガスセンサにおいて,センシング部である酸化チタンナノチューブ薄膜に白金微粒子を坦持することで,感度が向上し,応答時間が短縮することを示した。