平成11年度研究開発テーマ

更新日: 2022年3月1日

 県内企業のニーズに即した課題について研究開発を行い,その成果を企業に普及します。本年度実施する研究開発のテーマは次の通りです。

<機械・電子分野>

  1.  機能的電気刺激システムを中核とする最先端リハ・福祉システムの構築と新産業の創出
    • 携帯電源の開発/軟磁性薄膜作成技術の高度化
    • 多元感覚情報感温感圧センサシステムの開発/多元感覚情報センサモジュール構築に向けた要素技術の開発
    • 四肢間接運動のFES制御システム
      (病気,事故等で手足に障害が残った方々の日常生活に必要な運動機能を再建する機能的電気刺激システムに必要な要素技術を開発する。)
  2.  IC応用ソフトウェアの開発
    製造ラインの自動化および製造工程における自動化技術の一環として,組み込みシステムを応用したシステムの開発を行う。本年度は,研削加工における砥石と工作物の間隙測定システムの開発を行う。

<材料・加工分野>

  1. 研削加工による超精密・鏡面部品の高能率加工プロセスの開発
    (研磨加工でのみ,可能とされる表面粗さ(Ry)0.1μm以下の加工を研削加工に置き換え,表面粗さ(Ry)0.01μmを目標にした高能率な超精密・鏡面加工技術を開発する。)
  2. アルカリ熱硬化法による低コスト・多機能建材の開発 :アルカリ熱硬化体への機能性付与に関する研究
    (アルカリ熱硬化法という手法を建材製造に対して取り入れるとともに,安価なパーライトを主成分とする事により,石膏ボードと同価格帯の機能性建材を完成させる事を目的としている。今年度は吸放湿性や防カビ性を始めとした各種特性付与と大型化のための製造プロセスの最適化を中心に検討を進める。)
  3. 微量有害陰イオン種の分析と処理のための分離技術に関する研究
    (ヒ素やセレンはいろいろな形態の陰イオンとして存在し,その性質,毒性も異なる。これらの有害陰イオンをイオン種に分類し高周波プラズマ発光分析法で検出する微量分析法について研究する。)
  4. 超臨界流体を用いた環境調和型工業洗浄装置の開発 : 洗浄度の評価方法の開発
    (大気成分であるCO2の超臨界流体の特異的な性質を用いた,新たな洗浄方法を確立し,電子部品等の超精密洗浄が可能な,環境にやさしい,小型で多目的の洗浄装置の開発・制作・実用化を行う。)

<食品・バイオ分野>

  1. 有用酵母の食品産業への応用
    ・宮城県産清酒製造用の有用酵母の探索I
    ・新規酵母を用いた低アルコール清酒の開発
    (触媒的役割で物質循環の一端を担う微生物の中から,私たちの役に立つ有用な微生物を選定・改良し,清酒の選択範囲に幅を持たせ,華やいだ商品展開の道筋を検討する。)
  2. 天然抗酸化成分の食品への応用
    (満腹感・栄養源に続く食の第三次機能(食べることで健康維持が期待できる)を有する食品追求を目標に,特に脂質の酸化による品質劣化を防止する成分を含む天然資源の検索と効力を検討する。)

<商品化支援関連>

  1. 三次元設計及び造形機を活用した商品開発
    (3次元設計技術,ラピットプロトタイピング技術を活用し,迅速な商品開発の手法を実践的に行う。また簡易金型生産方式の構築を図るための基礎研究を行う。)

<産業廃棄物関連>

  1. 古紙を用いた発泡エコマテリアルの開発 :実用製造処方の開発
    (資源環境保護のため,余剰古紙で作られた生分解性のある素材を,発泡スチロール等の代わりに緩衝材として使用する研究を行う。)