乳酸菌を使用した機能性食品の開発可能性調査

更新日: 2022年5月9日
 

研究テーマ名:乳酸菌機能性応用の検討

 本研究では,県内企業における乳酸菌を活用した機能性表示食品開発ニーズを把握し,県内企業の機能性表示食品開発の体制作りを目的に,県内の乳酸菌利用企業について訪問調査を行った。その結果,県内乳酸菌利用企業においては,機能性表示食品についてある程度認知されているものの,製品開発の検討段階にない企業がほとんどであった。また,乳酸菌の利用については,機能性よりも美味しさに結びつけたいという声が複数あった。次に乳酸菌機能性を利用した機能性表示食品について消費者庁Webサイトで調査したところ,いずれの乳酸菌利用機能性表示食品も自社乳酸菌を活用しており,乳酸菌を利用した機能性表示食品を目指すためには各社オリジナルの乳酸菌が必要であると推察された。さらに乳酸菌学会誌を中心に大学保有乳酸菌の実用化状況の調査を行ったところ,基礎研究や機能性研究を大学と大手乳業メーカーが共同実施している形態が多く,大学単独での機能性乳酸菌実用化事例は少ないと考えられた。これらの調査結果から,県内企業における乳酸菌を活用した機能性表示食品開発及びその体制構築には,機能性表示食品開発及び商品化へ取り組む利点の明確化が必要と推察した。