清酒製造技術の高度化

更新日: 2023年2月17日
 

 県産清酒の高品質化および多様化を目的に、以下の3テーマの研究を実施した。

【県単独試験研究 令和元年度~令和3年度】

(1)宮城マイ酵母保存株の特性評価

 宮城県産業技術総合センターの保有する清酒酵母の優良かつ特徴的な性質の安定維持と保存を目的として,純米酒製造用として普及している宮城マイ酵母泡なし株の特性評価を行った。
 親株である宮城マイ酵母(MY-3102株)を対照株とし,同株の泡なし株候補として保有していた60株について総米200g,4kgの小仕込試験を実施し,その発酵経過や製成酒の成分分析結果により,宮城マイ酵母の低温発酵性ほか優れた特徴を備え,かつ,高泡形成が抑えられた実用候補株を選抜した。さらに実醸造試験においても安定した発酵性を示し,宮城マイ酵母泡なし株として実用上問題ないことが示された。

取組内容を1分程度で紹介します。

(2)酒米新品種「吟のいろは」(系統名:東北酒218号)の普及と県内産酒造用原料米の品質調査

 県産清酒の高品質化および多様化を目的に,新たな酒米品種「吟のいろは」(令和2年2月品種登録出願公表。系統名:「東北酒218号」)を含めた県内産酒造用原料米の酒造特性等について調査を行った。
 さらに,栽培時の気象条件と県内産酒造原料米の酒造特性との相関調査等を行ったところ,出穂後1か月間の平均気温が高温傾向の場合,酒造原料米が溶けにくくなる傾向が確認された。
 また,清酒醸造 において重要な分析項目である吸水性試験について,既存の分析法より詳細な条件で試験を実施した結果,吸水開始後1分から10分の吸水速度に品種間差がみられ,これは各品種の心白の形状等によるものと推察された。

取組内容を1分程度で紹介します。

(3)新たな宮城県産酵母の育種

 製成酒が酢酸イソアミルを主体とした香りを特徴とする酵母を育種するために宮城マイ酵母を親株としてUV 照射による変異誘導を行い,候補菌株を取得した。麹汁培地での増殖能力やマルトースの資化能力などを調査し,数値をZ スコアにより標準化して評価した。小仕込み試験を行う前の選抜手法として,全体を小スケール化したマイクロ小仕込み試験を考案し選抜を行った。

取組内容を1分程度で紹介します。

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