「3Dプリンターでつくる「世界に1つだけの保育グッズ」入門セミナー」開催報告

更新日: 2026年2月12日
 

2026年1月29日、一般社団法人ファブリハ・ネットワークの代表理事 伊藤 彰氏を講師にお迎えし、3Dプリンターなどのデジタルツールを保育の現場で使うための超・入門知識をワークショップ形式で学ぶ「3Dプリンターでつくる「世界に1つだけの保育グッズ」入門セミナー」を開催しました。

講師にお迎えしたのは、一般社団法人ファブリハ・ネットワークの代表理事であり、作業療法士として20年以上のキャリアを持つ伊藤 彰 氏です。参加者と講師が一緒になって、保育の可能性を考えた当日の様子をレポートいたします。

自身の経験から得た視点を語る伊藤氏。

「障害は、仕様がない」という視点で読み解く

セミナーの冒頭、伊藤氏から語られたのは介護の現場で3Dプリンターを活用して様々なグッズを制作してきた体験談でした。

「リハビリや介護の現場では『障害があるから、しょうがない』という言葉を耳にします。ですが、私はそれを、一人ひとりに合わせた『仕様(設計図)がない』だけだと思っているんです。」

市場に出回る多くの既製品は、より多くの人に合うよう「最大公約数」で設計されています。しかし、リハビリや保育の現場で本当に求められるのは、一人ひとりの特性にフィットする「個別解」です。そこで、少量多品種の製作を得意とする3Dプリンターを使えば、その人に合わせた「仕様」を自分たちで形にできます。この技術はリハビリや介護、保育現場との相性がとても良いのです。

伊藤氏が制作し、実際に現場で使ってきた様々なグッズ。

はじめての「デジタルものづくり」体験

講演の後、実際に受講生一人一人がパソコンを操作しながらデジタルものづくりの基礎を学びました。

3D-CADでのモデリング

受講生はWebブラウザ上で動作する3D-CADを使い、設計の基本操作を体験しました。作成したデータは3Dプリンター用の形式で保存できるため、自分のアイデアが形になる実感が湧いてきたようです。

3Dプリンターの仕組みと安全性

3Dプリンターの実機を前に、材料や仕組みについての解説が行われました。参加者がプリント開始ボタンを押すと3Dプリンターが動き出し、会場のテンションも一気に高まりました。

「3Dプリンター製のグッズは市販品とは特性が異なります。使う人や周囲のスタッフと情報を共有し、一緒になって作り上げていくプロセスこそが重要です。」
伊藤氏からは自身の現場の体験談を基に「安全性」や「管理方法」について具体的なアドバイスがありました。

WEBブラウザ上で3D-CADを操作する受講生。
3D-CADの基礎操作の解説。
実機を前に使い方や注意点を説明する講師。

現場の課題を考える

後半のグループワークでは、各保育現場が抱えるリアルな課題を共有。それらを3Dプリンターでどう解決できるか、アイデアを出し合いました。普段は中々交流する機会がないようですが、受講生同士で現場の共通点や違いを発見し合う時間は、今後の活動に向けた大きな刺激となったようです

グループで課題を共有する参加者たち。
AIを活用しながらアイデアを発想した。

まとめ

今回のセミナーでは、受講生の方々に、「デジタルものづくり」の視点が保育の現場にもたらす可能性を感じてもらえたようです。3Dプリンターを活用することで、既製品を「買う」だけでなく、現場のニーズに合わせて自ら「作る」という選択肢が生まれます。これにより、子供一人ひとりに寄り添った新しい世界が広がります。3Dプリンターなどデジタル技術が単なる道具に留まらず、保育の創造性を解き放つ鍵となれば幸いです。

今後も、宮城県産業技術総合センターでは、これからも仕事に役立つ研修を幅広くご用意しています。開催情報は、WEBサイトやメールマガジン「ITIMオンライン」などでチェックしてみてください。

※秘密保持のため一部画像を加工しています。