「H30年度 第3回金属粉末3Dプリンター研究会」開催報告

更新日: 2022年3月18日
 

2019年2月13日(火)に,宮城県産業技術総合センターにおいて,みやぎデジタルエンジニアリングセンター「金属粉末3Dプリンター研究会」の第3回研究会を実施しました。

話題提供:金属粉末3Dプリンターに関する想い

東北大学 金属材料研究所 千葉晶彦教授

東北大学千葉教授には,上記タイトルにて,PREP法などによる金属粉末材料に関する技術解説,地域企業との取り組みについて話題提供いただきました。

千葉教授によると,これまで,金属粉末材料開発の一手法として研究がなされていたPREP法(Plasmama Rotatillg Electrode Process: プラズマ回転電極法)が,ここ最近の金属粉末3Dプリンターのめざましい発展により,注目を集めています。金属粉末3Dプリンター,特に,電子ビーム方式金属粉末3Dプリンターで用いる金属粉末材料は,粒径が40μm~100μmの範囲かつ,なるべく球状の形状が必要とされ,それが造形品質に大きく影響します。そこで,千葉教授は,様々な粉末製造技術を比較検討して,PREP法での粉末が造形に有利である事を研究にて見いだしています。

他の粉末製造方法との図解によるわかりやすい比較,使い分けの考え方,などを丁寧に解説していただきました。また,これら粉末製造を,地域企業とともに実践しているプロセスの紹介もありました。

金属粉末造形品後加工トライアル状況報告

プラスエンジニアリング(株) 様,(株)岩沼精工 様 (資料のみでの情報提供),宮城県産業技術総合センター 渡邊,篠塚

後加工への取り組み状況について取り組みメンバー各社より情報提供をいただきました。 各社とも難しい課題に対し,様々なアイデアを出しながら,加工に取り組んでいます。共通的な認識として,従来の切削加工方法では対応ができ ないということが,実際に取り組んでみて理解できたとのことでした。

技術的な工夫を繰り返す必要があること,発注元と綿密な協議が必要なこと,3Dデータとともに分析する必要があること,造形の傾向を把握する必要があることなどが,各発表者から示されました。

※一部画像を加工しています。

国内展示会での技術動向

宮城県産業技術総合センター 伊藤利憲

内で,3Dプリンター関係の大型展示会が相次いで開催され,その調査報告がありました。金属3Dプリンター分野では,世界では急激に導入が進み,造形品には後加工が必須である事,航空機分野では実用製品として既に多くの造形品が使われていること,造形品単体で従来加工品と比較するのではなく,例えば部品の単一化によるアセンブリ工数が激減する効果や,軽量化によって航空機の燃費向上することによるコスト回収など,俯瞰してコストと技術価値を見る必要があること,これらは世界的に取り組みが進んでいることなどの情報があったとの報告がありました。

※一部画像を加工しています。

産業技術総合センター内設備見学

金属3Dプリンターのための材料分析,造形品評価(外観,透視),後加工に用いた切削加工装置などの見学を行いました。

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