光造形システムによる試作支援について

更新日: 2022年8月10日
 

はじめて御利用いただく方へ

光造形システムを用いた試作支援依頼については、事前に御相談をお願いします。
連絡先:商品開発支援班 光造形システム担当まで 022-377-8700(代表)
メールでの問い合わせ 光造形担当者宛メールアドレスrpt@mit.pref.miyagi.jp

光造形システムとは

光造形システムとは3次元CADデータ等から得られた3次元モデルを水平にスライスし、その輪切り像に従ってレーザーをタンク内の光硬化性樹脂の液面表面に照射し、一層づつ固めます。これを順次繰り返し、積層する事により実物そのままの立体モデルを作成するシステムです。

光造形の原理

光造形システム(光造形機)の仕様

宮城県産業技術総合センターで保有している光造形装置は3Dsystem社の「iPro8000」ならびに「Projet6000」になります。
基本スペックは下記のとおりです。

iPro8000

  1. 最大造形サイズ :750×650×550mm
  2. レーザービーム径: 0.13mm、0.76mm
  3. レーザーの種類 : 半導体レーザー
  4. 積層ピッチ 50ミクロン〜150ミクロン

iPro8000

Projet6000(故障中)

  1. 最大造形サイズ :X250 × Y250 × Z250 mm
  2. レーザービーム径: ビーム径 : 0.076〜0.762 mm(可変式)
  3. レーザーの種類 : 半導体レーザー
  4. 積層ピッチ 50ミクロン〜150ミクロン
ProJet6000.jpg

ProJet6000

使用樹脂のスペックについて

令和4年4月1日現在、使用している樹脂は下記の二種類です。

●iPro8000の樹脂[Accura ClearVue Free(SL7870)]
・樹脂の物性に関しては下記PDFファイルをダウンロードして御確認ください。
樹脂スペックSL7870

●Projet6000の樹脂[VisiJet SL HiTemp]
・130℃ までの高温耐性(要・後処理)
・耐湿および耐薬品性

御利用にあたって

光造形システムは開放機器になっておりますが、機器の操作習得および運用が困難なため、特別な場合を除いて一般開放は行っておらず、技術改善支援事業(有料)の試作支援という形で対応しております。
依頼に関しては下記のような流れになります。

  1. [お客様 ] お客様からの問い合わせ(メール、電話)
  2. [センター] 注意事項等の御説明
  3. [お客様 ] お客様から3次元データの送付(メール、郵送、持参)
  4. [センター] 送付された3次元データを基に試作支援に関わる概算費用の算出、提示
  5. [お客様 ] 正式な依頼(技術改善支援依頼書、後納申請書の御提出)
  6. [センター] 技術改善支援事業の試作支援の実施
  7. [センター] 造形品の受け渡し、(直接引き取り、宅配便による送付)
  8. [センター] 確定費用の算出、納付書の発行
  9. [お客様 ] 納付書による納付(各金融機関にて)

※産業技術総合センターに来所いただかなくても電子メールでデータの受け渡しが出来れば試作支援を受けることができます。
※技術改善支援依頼書、後納申請書は光造形試作支援専用のものを用意しておりますので、お問い合わせください。

費用に関して

技術改善支援事業の試作支援では下記の料金が発生します。

機器使用料

光造形システム使用料 昼間(9:00〜17:00) 1時間:4,000円(iPro8000)、2,600円(Projet6000)
光造形システム使用料 夜間(17:00〜翌9:00)1時間:4,000円×1.2(iPro8000、夜間割増),1時間:2,600円×1.2(Projet6000、夜間割増)
三次元モデル設計システム使用料 昼間(9:00〜17:00)1時間:650円
※夜間料金に関しては利用総額の100円未満が切り上げになります。

手数料

研究員技術的支援手数料 1時間:3,900円
※手数料は、iPro8000御利用の場合、平均で約4時間分が発生します。@3,900×4=15,600円
内訳は

データ変換、修正(STL変換、STL修正)0.5h程度
サポート編集、スライスデータ作製1.0h程度
造形機セットアップ(スタートアップ作業)0.5h程度
造形引上げ、サポート除去、洗浄、ポストキュア2.0h程度

※Projet6000の場合、耐熱処理に別途手数料が発生します。詳しくはお問い合わせ下さい。

消耗品負担料

光造形機用樹脂の実費負担をお願いしております
令和4年4月1日での単価は光造形システム(iPro8000)用1g = 30円,光造形システム(Projet6000)用1g = 59円。
となっています。(※若干の変動があります)

費用のおおよその目安

造形に11時間を要し、造形物の重さが100gだった場合

使用料

使用料
光造形システム(iPro8000)[昼間]@4000×8時間32,000円
光造形システム(iPro8000)[夜間]@4000×3時間×1.2(100円未満は切上)14,400円
三次元CADシステム@650×2時間1,300円
手数料
研究員技術的支援手数料@3,900×4時間15,600円
消耗品負担料
光造形機用樹脂@30×100g3,000円
合計66,500円

造形時間の予測

造形時間は造形物の高さ(Z方向)である程度予測が可能です。
過去の造形実績では1時間に3〜7mm(高さ方向)で造形が出来ています。(平均すると約5.7mm)
たとえば高さ50mmの造形物の場合
50mm+10(サポートの高さ)=60mm
60mm÷5.7mm(平均値)=10.52 → 約11時間
※また3次元データを送付いただければ、+-5%程度で造形時間を予測シミュレーションすることができます。

費用のお支払方法

光造形システムを用いた試作支援は、事前に金額の確定が困難なため支援完了後の実績で費用を算出しお支払いいただいています。
金額的には事前に御提示する概算費用の+-5%以内に収まるケースがほとんどですが、稀に+-5%を超えるケースもあります。
費用のお支払方法ですが、金額の確定後に納付書を発行しますので発行から20日以内に指定の金融機関で納付していただく形になります

造形に必要な3次元データのファイル形式について

基本的にお客様に3次元データを作成していただき、そのデータを基に試作を行います。
産業技術センターでお受けできるデータ形式は下記のとおりです。

中間ファイルの場合:IGES、STEP、Parasolid、STL

※STLの場合、光造形用のファセットのコントロールがわかる方以外にはあまりお勧めをしておりません。

CADのオリジナルデータの場合

SolidWorks,CATIA,Rhinocerosのデータであればオリジナルのデータでも大丈夫です。
※Rhinocerosの場合、事前に御相談ください。

3次元データがない場合

→ 3次元データの作成から御支援しますので別途御相談ください。

Shade等の汎用CGのデータの場合

→ 精度は落ちますがDXFから試作品の作成が可能です。モデリング方法に制限がありますので事前に御相談ください。

実物から光造形で複製品を作成したい場合

→ 3次元測定器で測定し、CADデータを作成することが可能です。
※ワークのサイズ、色等で制限がありますので事前に御相談ください。

納期について

光造形システムの運用状況により異なります。
事前に御相談ください
機械が空いていれば当日造形を行い、翌日県内当日便で発送といった対応も可能です。

よくある質問&相談

Q1.造形機の最大造形サイズを超えるものを試作したい。
A1.分割して造形し造形樹脂を接着剤(紫外線照射装置を使用して接合)として接合することが可能。※精度は落ちるが、意匠評価等であれば対応可能


Q2.光造形で試作した造形品の複製品をもっと安い方法で作りたい
A2.真空注型機を用い、小ロットの複製品の作成が可能※別途御相談ください。

Q3.造形品の表面の表面の磨きはやってくれるのか?
A3.基本的に造形上がりでお渡しになります。

Q4.造形品に塗装はできるのか?
A4.一般的な塗料での塗装は可能。プラスチックプライマーの使用を推奨高温での焼き付け塗装は変形が発生するため不可

Q5.造形品を水につけても大丈夫か?
A5.SL7870は吸湿性があるため不可クリアー塗装等の表面処理が必要
※造形品を研磨する際もウェットは不可

Q7.宮城県外からの依頼は受け付けてもらえるか?
A7.他県および個人からの依頼も受け付けております。

Q8.とにかく急いで試作品を作ってほしい!
A8.出来る限りお客様の御要望に応えられるよう努力いたしますので御相談ください。

※御不明な点、御質問があればお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ先

宮城県産業技術総合センター 企画・事業推進部 商品開発支援班
TEL:022-377-8700
相談受付フォーム
E-mail: rpt@mit.pref.miyagi.jp